2026.02.27

コラム

「インフルエンザにはウイルスと細菌がある」

コロナ渦では流行がなかった季節性インフルエンザ。しかし、この2,3年で例年通りの流行がみられるようになりました。

実はインフルエンザには「ウイルス」と「細菌」があります。まったく別物なのです。

毎年、秋以降に子供から大人まで任意でワクチンを接種するのがインフルエンザ「ウイルス」に対してのものです。

さて、それとは別に乳幼児にヒブと呼ばれるワクチンを接種しますが、こちらは「細菌」で、インフルエンザ「菌」に対する予防接種です。ヒブの名称はその菌の正式名称であるHaemophilus influenzae type bからつけられました。

一般に、“インフルエンザ”といえば、ウイルスの方をイメージする人が多いと思います。ではなぜ、ウイルスと細菌という2種類のインフルエンザがあるのでしょうか?。

インフルエンザウイルスの感染症は古代エジプト時代からあったとされるくらい、大昔から流行があったようです。急に高熱を出し、多くの人が次々と倒れる。大昔はきっと今以上に恐怖の現象だったのでしょう。2009年、世界的に新型インフルエンザがパニックになりましたが、この現代になっても人々に恐怖を与えました。大昔は“宇宙から何か悪い影響がきているのではないか”。人々は考えました。

その悪い“影響”=influenceがインフルエンザの語源とする説があります。

 世界の学者はその原因を我先に発見しようと頑張りました。1800年代の終わり、インフルエンザ感染症とされる患者の痰から新種の細菌が発見されました。この発見者が北里柴三郎ではないか、という説があります。この細菌がインフルエンザの原因であるとして、当初、“インフルエンザ菌”と命名されました。しかし、1933年、イギリスの研究者らがついにインフルエンザウイルスA型のウイルスを発見し、ようやく、古来からのインフルエンザの原因として証明されました。1930年代には電子顕微鏡があったので、ウイルスの発見につながったのです。それまでの光学顕微鏡ではウイルスは発見できなかったのです。

 一方、悪く言えば“間違ってインフルエンザの原因とされてしまった”インフルエンザ菌。しかし、インフルエンザ菌は乳幼児の重症感染症である細菌性髄膜炎などの原因として微生物学や小児科感染症では常に考えておかねばならない重要な細菌のひとつです。

 インフルエンザにはウイルスに対しても細菌(ヒブ、現在は5種混合に含有)に対しても予防接種がありますが、インフルエンザをめぐる歴史を思いながら接種を受けると、一味違うかも知れません。(松田)

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