2026.03.10

コラム

夜尿症でお悩みのご家族へ

 シン東京駅こどもの成長クリニックでは、お子さんの夜尿症にも対応しております。

夜尿症、いわゆる「おねしょ」で悩まれている家族は多くいらっしゃいます。親御さんも心配ですが、実は本人が一番つらい思いをしているのです。叱ったりすると本人の自尊心にも影響し、かえって夜尿症が長引く可能性もあります。

             「夜尿症とは」

 日本夜尿症学会のガイドラインでは、「夜尿症の定義」を「5歳以上の小児の就眠中の間歇的尿失禁」、「昼間尿失禁や下部尿路症状の合併の有無を問わない」、「1か月に1回以上の夜尿が3か月以上続く」、「1週間に4回以上の夜尿を頻回、3日以下の夜尿を非頻回とする」とありますが、簡単に言えば「5歳以上で1週間に1,2回以上の夜尿があ3か月以上ある」と「夜尿症」を疑うことになります。 下図の海外文献によると、週3日未満から毎日症状がある夜尿患者の頻度は5歳で16%、その後減少します。その点、年齢が解決してくれるとも言えますが、19歳でも3%程度の患者がいるのです。

 昔は小学校5年生や6年生になると、林間学校や修学旅行がある年代なので宿泊行事の直前に夜尿症の相談にみえる家族が多くいました。しかし、近年は幼児期や小学生低学年でも習い事や学童での「お泊り合宿」が増えていますので、幼児期から何とか治したい、とういう希望が増えています。また、小学校入学を機に夜尿症を治したい、という家族も多いようです。

                「夜尿症の治療」

1)日常生活の確認:夕食以降は飲水量を控える、就寝前に排尿する、夜間就寝後はトイレに起こさない、夜間は体を冷やさないよう毛布・布団を掛ける、慢性の便秘がある場合はそちらの改善、治療も行う、など。

2)薬物療法:日常生活の改善を実行したうえで2-3週様子をみて、なお夜尿が持続の場合は薬物療法を考慮します。

①抗利尿ホルモン剤(ミニリンメルト)

抗利尿ホルモンは元々夜間睡眠中に分泌されるホルモンで、文字通り尿分泌を抑える作用があります。このホルモンを就寝前に内服して補充しようとするものです(お水なしでも口の中で溶けます)。

最初は低用量から開始し、2,3週間で効果を判定し、効果が弱ければ増量します。

➁抗コリン薬

  抗コリン薬は複数の種類がありますが、膀胱の筋肉を弛緩(緊張を緩める)させ、膀胱の容量を増やそうとするものです。

   抗利尿ホルモンと併用する場合が多いです。

③抗不安薬

  抗利尿ホルモンの内服薬が発売される前は抗不安薬が結構使われていました。

  近年は①や➁の併用でも効果がない場合に使用されます。

④漢方

  夜尿症にも効果があるとされる漢方があります。ただ、漢方は小児には内服が困難な場合もありますのでまずは抗利尿ホルモンから始めることが多いです。

⑤アラーム療法

  アラーム療法は下着やオムツにセットしたセンサーが尿を感知し、アラームや振動で患者を目覚めさせようとする方法で、「尿→アラーム」の反復で尿が膀胱に溜まったら自然に覚醒する習慣をつける、という方法です。この機器は購入が必要であったり(レンタルする施設もあります)、家族もアラームや振動で起こされ、尿の処置を行う必要があるので大変さもあります。

⑥焦らない事も大切な「治療」

   夜尿症は自然に治ります(先述のグラフのように、2%程度は20歳前後にも継続するようです)。ただし、治療薬内服などを早く始めればそれだけ早く改善します。

   親御さんも焦らず、ゆっくり気長に付き合うことが大切です。

⑦ストレスも悪影響

   治療を開始しても夜尿症が持続するお子さんが一定数います。夜尿症治療の経験から、本人のストレスも原因と思われることも多いのです。幼稚園や学校、下に弟や妹がいる、塾や習い事で忙しい、など。以外に見逃しているかもしれません。

   先述のグラフを見ると10歳には1/5まで減っています。

           「普段から日誌をつけよう」

夜尿症用の日誌がありますので、夜尿症が心配でいずれ治療を受けたい人、実際に治療を開始した人には毎日の夜尿の有無や尿量などをチェックしてもらいます。 毎回、外来に持ってきていただき、その記録から治療の効果を判定し、次の治療につなげますので大切な記録です。

夜尿がない日は親子一緒に喜び、ほめてあげることが本人に励みとなり、治療効果に直結します。

夜尿症が心配なお子さん、年齢を問わず、ぜひ一度ご相談ください。

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