2026.04.11

コラム

「なぜBCGを接種するのか?」

乳幼児の予防接種の一つにBCGがあります。生後5か月から8か月未満が標準接種期間になっています。1歳を過ぎると、定期接種の期間が過ぎてしまい、自費での接種になるので注意しましょう。

☆BCGの名前の由来

  BCGはフランス、パスツール研究所のカルメット(Calmette)とゲラン(Guérin)が作った杆菌(Baccille)で、結核菌に対する予防接種(生ワクチン)として使われています。

☆BCGは「ハンコ注射」   

BCGはハンコ注射ともいい、赤ちゃんの左上腕に薬液をたらして図左のような「管針」で2か所押します(図は日本ビーシージー製造株式会社の取り扱い説明書から)。

接種後、薬液が乾燥するまで触らずに自然乾燥するまで5-10分待ちます。

乾燥するまでお母さんやお父さんに抱っこしてもらいますが、乾燥するまでお子さんが手で触らないように固定し、保護者の方の服や髪の毛も接種部位に触らないようにお願いします。また付き添いでご兄弟がいる場合も接種部位に触らないようにご注意ください。

☆生後5か月のBCG接種の目的は?  

結核は「古くて新しい感染症」ともいわれています。かつて結核は日本の国民病でしたが、戦後以降、肺結核患者は減少しています。ただし現在でも日本では年に1万人以上の新規結核患者が出ています。

私の経験では10数年前の大学病院在籍時に、祖父や学校の先生からの小児感染者がいました。

 下図は日本と米国の結核罹患率です。両国とも乳幼児含め、若い世代にも感染者がいるのです。

乳児期にBCG接種を行う最大の目的は粟粒結核(結核菌が血流に乗って全身に周る)や結核性髄膜炎という小児期の重症結核症の予防にあります。

 ☆BCG接種後の皮膚変化

 接種部位は4週後くらいに発赤が目立ち、数か月後から薄くなってきます。

 ただし、個人差があり、発赤や白いぶつぶつが写真よりも目立つ場合がありますが、基本、心配ありません。心配なら接種した施設に相談しましょう。

☆コッホ現象

 接種後2,3日で接種部位の針跡が目立つ、発赤が強いなどが見られる場合、これを「コッホ現象」と言います。この現象はBCG接種以前にすでに結核に感染している可能性がある、とされています。結核感染ではないことがほとんどですが、このような皮膚反応がある場合は、接種した医療機関に必ずご相談ください。

☆BCGと結核についての「まとめ」

 1.結核は“古くて新しい感染症”(今も日本で年間1万人以上の感染者がいる)

 2.乳児期のBCG接種の目的は重症結核感染症を予防するため

 3.  一般的には左上腕にハンコを押すように2回接種

 4.薬液が乾燥するまで触らずに待機

 5.接種後2日までに発赤が強くなった場合は、接種した施設に相談

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