2026.04.20
「アナフィラキシー用のエピペン、当院で処方可能です」
1.エピペンとは?
エピペンはアナフィラキシー発症時に対応した携帯用アドレナリン自己注射器です。
小児では主に食物アレルギーのアナフィラキシー発症に対応するために所有者が増えています。
エピペンは日本においては2003年、養蜂業者や森林で働く人たち用に認可されたのが最初でした。
2005年以降、食物アレルギーにも適応され、年々、所有者は増えています。
アレルギーの原因が何であれ、アナフィラキシー症状が出現したり、アナフィラキシーを疑うような症状があれば、一刻も早くエピペンでアドレナリンを接種する必要があります。
2.エピペンの本体と使用法
エピペンには二種類あり、「0.3mg」と「0.15mg」があります。体重30Kg以上の人は0.3mg、15Kg以上の人は0.15mgのものを使用します。

本体は透明ケースに入っています。使用時はケースから取り出し、先端の青い安全キャップを外し、本体中央を握り、オレンジ色の先端を患者の太もも外側に垂直に軽く当ててから、カチッというまで押し付けると、薬剤が注入されます。そのまま5秒間押し当ててから抜きます。
下記は香川県の小児科医会が作成したエピペンの使用方法です。
他にも使用法については多くの動画がありますので、検索してください。
3.エピペンはあくまで応急処置
エピペンの効果の持続は長くて20分です。いったん、後述の症状が改善しても、効果が切れて再度症状が出現する可能性があります。エピペン接種の場合は必ず救急車を要請します。同乗者は接種後のエピペンを持って、病院の医師や看護師に渡してください。
4.エピペンを持つ場合の心得
家庭ではもちろん、園や学校でも1)エピペンの保存場所の確認2)接種する人3)救急車を呼ぶ人を決めておく必要があります。 もし、園や学校でエピペンを保存したり、常にカバンやランドセルなどに携帯する場合はあらかじめ職員や先生と念入りに対応マニュアルを作って確認しておきましょう。

5.エピペンに入っているアドレナリンとは?
アナフィラキシーの症状は蕁麻疹や嘔吐・下痢の消化器症状もでますが、命に直接かかわる低血圧や重症の気管支喘息発作をいち早く改善させる必要があります。
アドレナリンの効果は速効性で、交感神経を活性化させ、血管の収縮と心臓の機能を増強し、その結果血圧が上がります。喘息発作に対しては狭くなった気管支を広げる作用があります。
6.どういう人がエピペンを持つべきか
エピペン所有者は食物アレルギーがあり、しかも、過去にアナフィラキシー症状やそれに近いアナフィラキシー様症状の経験を持つ人です。小児については普段の学校生活の他、遠足、部活の合宿、修学旅行や家族での旅行に携帯しています。エピペンは処方可能登録医が必要に応じ処方しますが、その薬の作用、いつ使用すべきか、使い方など十分に理解した上で処方します。
7.エピペンン接種はためらわずに
子供さんの場合は低年齢や呼吸困難や意識朦朧など、症状によっては自分で打てない場合が多くあります。学校で子供がアナフィラキシーで意識朦朧となった場合など教職員が打たなければならない状況もあります。しかし、医療従事者ではない人が他人に注射を打つというのは大変な勇気が必要です。
学会ではアナフィラキシーの場合は早急にエピペン接種が必要とし、下記の表の症状が一つでもあれば使用すべきとしています。 平成25年に調布市の小学校で、給食によるアナフィラキシーで亡くなった女の子がいましたが、教室に自分のエピペンがあったのにもかかわらず、接種したのは症状が出てから約15分経過してからでした。

8.エピペンは早まって打ってしまっても大丈夫?
アナフィラキシーの場合は早急に接種するのが大切なのですが、「本当は打たなくてもよかった場合に打ってしまったらどうなるの?」という心配が誰にもあります。
先述の調布市の件があった後、園や小学校の先生から「エピペンを持っている子どもがいるので、どうすればいいか」との質問を多く受けました。
エピペン(アドレナリン)自体による症状は頭痛、不安、動悸、手のふるえなどがありますが、一時的なものです。接種をためらって命を落とすことは避けたいですね。
また、重要なことは、医師ではない教職員がエピペン接種を接種しても医師法違反にはなりません。
エピペンを持つ場合は、家族は園や学校の教職員と綿密な対策を立て、園や学校と方針・情報を共有しておく必要があります。
9.エピペンのまとめ
1)アレルギーのアナフィラキシー発症時の緊急処置注射です
2)アナフィラキシー経験者は自宅や園・学校で持っておくと安心
3)内容はアドレナリンで血圧上昇や気管支拡張作用があります
3)当クリニックで処方可能です。まずはお問合せください
4)過去の症状やアレルギー検査結果から処方を考えます
5)ネットの動画などで接種方法を確認しましょう
6)所有する場合は園や学校との情報共有が大変重要です