2026.05.15
院長ブログ「“型破り”とは?」
「“型破り”とは?」
映画「国宝」のヒットで歌舞伎が話題になりました。この映画のヒットで、すでに亡くなった十八代目中村勘三郎さんの有名な逸話も再度取り上げられるようになったそうです。
その逸話とは。
勘三郎さんは「コクーン歌舞伎」や「平成中村座」を立ち上げるなど、歌舞伎界の常識を破るような、いわば異端児的な存在でした。しかし、この先進的な企画にたどり着くまでには回り道があったのです。
勘三郎さんは父である先代十七代目勘三郎さんに「コクーン歌舞伎」などの企画を話したところ、大反対をされたのです。
父に反対され、憂鬱な思いで生活をしていました。ある日、タクシーに乗っていると、ラジオが流れていました。その番組は教育家で僧侶、無着成恭(むちゃくせいきょう)さんの「子供電話相談室」でした。
ある子供から「型破りと形無しの違いは何ですか?」という質問がありました。無着成恭さんは「型がある人間が型を破れば“型破り”、型がない人間が型を破れば“形無し”ですよ」と答えました。
これを聞いた勘三郎さんは「これだ!」と。父が言っていた意味が理解できたのです。つまり、自分にはまだ型がなっていないのだ、と。
勘三郎さんはこれ以降、歌舞伎の型の基本の基本を徹底的に練習。練習を繰り返し型を完璧に習得。弟子たちにも型=基本を徹底的に練習させ、叩き込みました。
こうして土台を気づいたからこそ、その後の“型破りな歌舞伎”が歌舞伎界や客から認められたのです。
昨年の野球のメジャーリーグ。ワールド・シリーズはドジャースが優勝しました。
そのスポーツニュースの中で私も「これだ!」と感じた場面がありました。ドジャースのスーパースター選手の守備練習でした。ほんの2,3メートル離れた場所からごく簡単なゴロを投げてもらい、その選手は真剣にそのゴロを捕球していました。特に強くもなく、バウンドが大きいわけでもなく、普通の緩い、小学生でも簡単に捕れそうなゴロです。そのゴロをグラブでしっかりキャッチする。それを延々と反復していました。おそらく、グラブでの捕球の感触、足の運び、腰の落とし方など、一球一球チェックしているのでしょう。
試合中、難しい打球をアウトにするプロ中のプロのメジャーリーグの選手。そんな名選手でも基本中の基本である「型」を何度も何度も練習するのです。この光景を見て、先述の勘三郎さんの話を思い出したのです。
私どもの「シン・東京駅こども成長クリニック」では身長外来(自由診療)をやっております。成長ホルモンやサプリメントなどを使用しますが、そのためにはレントゲンによる骨の状態の把握(骨端線など)、定期採血で全身状態の経過観察(鉄分、ビタミンなど)などが必要です。つまり医療の基本(型)を重視しています。
「シン・東京駅こども成長クリニック」は小児の保険診療も行っています。
風邪、発熱、胃腸炎はもちろん、臍ヘルニア、夜尿症にお悩みの方にも対応しています。これらの症状の対応も小児科の「型」です。 私は長年にわたり医大生を教育してきました。その経験で育んだ「医学の基本=型」を患者さんに提供していければと思います。
身長はもちろん、小児の症状全般の診療をお待ちしております。